12/12/2013

Cord Edge Vest



Double Cord Edges(両玉縁ポケット)

先日紹介したWOOL TWEED生地をベースに、新たにパターンをおこし、両玉縁ポケットを多様した ベストを製作致しました。途中段階ではありますが、ここで製作行程を簡単に紹介致します。

前回のH.B.TWEED EAIST COAT、良い雰囲気に上がったとは思う反面、課題が多く残りました。一つは全体のカタチそのもの。ベストとしてのカタチに拘りすぎた結果、バランスがかたよったイメージになってしまいました。そして二つ目に裏地使いも課題が見つかりました。ここには書けませんが他の課題もクリアしながら、さらに両玉縁ポケットと言う非常に手間のかかるポケットをいかに効率良く仕上げていくか、全ての逆算の結果がデザインになっていきます。

今回は毛抜き合わせのどんでん返し、と言う縫製で進めます。

まずは前身頃と後身頃を裁断、縫製していきます。
後身頃はCBを接ぎ合わせ、シンチバックをたたいておきます。







           見返しと裏地を縫い合わせておきます

接着芯を裏、ポケット口に貼り、進めていきます。やはり力が加わる部分には接着芯が必要、更には織が甘い生地のためペタペタ触ってるうちに生地が裂けてくるのは防ぎます。

そもそも出来るだけペタペタ触らないでいかに縫い上げるか、そこが全ての縫製の基本になります。
口布、袋布、おくり布を最初に縫いあわせておくと非常に早く綺麗にあがります。
バランスかなり良い出来です、ネックラインの角度から胸ポケット、腰ポケット、テール部分と緩やかに角度が下がってきてます。
見返しの巾と、首裏の見返しの巾を変えてます。厚みを軽減する為ですね。
ここからがどんでん返しの作業。地味で非常に時間と手間がかかります。
写真では簡単そうですが。。。
裏地に表地を中表で合わせます。
アームホールと前見返し部分のみ地縫いします。
縫い終わったら、なんと方を通してひっくり返します。
この片方の肩部分から身頃をひっくり返すので、生地が通るだけの肩幅で設計してなければいけません。僕のデザインする服は、全てこういった部分も考慮し、無理なデザインを取り入れません。縫えない物を無理矢理つくると、しなやか、からは程遠いがっかりなものになりますから。。
はしょってしまいましたが次は脇部分を縫い合わせます。
簡単そうですが、最初は全然意味が分からず縫ってました。
アイロンで割ります。
最後に裾を縫い上げます。
せっかく綺麗に途中まで仕上げておりましたが、また裏っかえしにします。
裾15センチ程あけておきます。
あらかじめ1センチ巾で縫い代をアイロンかけます。
最後のどんでん返しを、先程の15センチから引っ張りだします。
むりやり引き出すと生地が伸びてしまい、最後の最後に泣いてしまうので注意しながら。
引っ張りだし成功。ここからコバステッチをかけるため、シルクピンでしつけをします。
このようにぐるり一周をとめます。変なシワが入りません。
ループはあえて後付けします。
いかがでしょうか。
単なるベストでは無く、全てに意味のある縫製になってます。

シンチバックは最初は接ぎ合わせにしましたが雰囲気が納得出来ず、従来の一枚ものに変更しました。
CORD EDGE 最高に綺麗です。
あえてコーデュロイにして正解です。

口布、送り布をコーデュロイにしております。
ボタンホールをあけたらまた詳細をアップします。