9/02/2014

Working state

だいぶ更新が滞ってしまい、申し訳御座いません。

怒濤のバック製作の7月、8月がようやく終わりました。
まずは7月、#1601 SHORT TOOLBAGの製作途中を。

本体に使う3mm厚40mm巾の綿100テープです。
かなり探しました。2mm厚40mm巾ポリ、とかポリ綿とか、綿100が
あっても織方が良くない、など、かなり限られた背景しかないのが
綿テープの世界です。綿100で3mmとなると、他の色が欲しい場合、もう染工所で
染めるしか方法はありません

形崩れや持ち易さを考慮した結果、見えない部分も、テープを
贅沢に本体に一周分使います。




レザーストラップは裁断後、コバ処理を丁寧に一本づつ行います。

左、中は未処理。右が加工後。立体的になっているのがわかります。
毛羽立を抑えるので永くお使い頂けます。
革は丈夫な厚み3mmを。


同様に右側がコバ処理済み

寸法通りにポンチで穴をあけます

まずは特注でオーダーした21mm巾ダールメッキのナスカンを通します


アメリカより輸入した極太リベットを通します
親指のささくれが気になります、、、
軽くつまんでいる様に見えますが、かなり硬い部分です

そしてここからリベットのワッシャー部分をはめ込みますが、方法は
お見せ出来ません

根元までぶち抜きます

両サイドぶち抜きました

クイキリ、で根元1mm程残して切ります

切り口を丸く潰します

その間に本体に打ち込むリベットに、ヌメ革ワッシャーを製作しておきます

穴加工後、18mmローラー付真鍮美錠もリベットで留めます




ここからは#1602LARGE TOOLBAG用の20mm巾のレザーストラップ製作を
基本的には上記と同じ手順になります。

巾がSHORTタイプは18mm、LAEGEが20mmと2mm太めにしましたが、
2mm違うだけで印象がずいぶん変わります


ローラー付真鍮美錠も20mmを仕入れました

ベルト針が丁度良くハマる巾に平目打ちとポンチで加工します

美錠に通し、くるりと折り返し、リバットの穴が共通になる位置、、
簡単そうに見えますが、何度も位置に失敗し、ようやくできた印位置です

問題はリベットが打てるギリギリのラインまで攻めているか、でした


美錠のすぐ横にリベットが有ると、打込む
時にキズがつく可能性が出て来てしまいます
本当にギリギリです



根元までワッシャーをぶち抜きます
トンカチで抜きますが、本当に力使います

クイキリできります。根元線径5mmに達する銅を
クイキリで切るには、本当に体力と根気が必要です。
手のひらは皮が剥け、親指の付け根は2週間たった今も痛みがとれません
クイキリはたんに切る道具。コレを丸く潰していきます
丸く潰したものです。この雰囲気に憧れてアメリカより
取り寄せした、とても高価でタフでゴツい、極太リベットです。
国内YKKやモリトなどでは無い、自分の企画にはコレだと、ずっと探しておりました。
単価はYKKリベット単価の約50倍以上、しかも予想以上の手間と時間で、今後出来るかはわかりません。

一つ言えるのは、量産委託業者、または工場では、絶対やって貰えない仕様だと言う事です。
何とか出来たとしても、工賃は確実に跳ね上がり納期は言えません。では最終手段は納品後に、
自分達で打つか、しかしそれでは本体部分は作業途中で打たなくてはならない部分だらけなので
不可能なのです。

会社組織で企画したら、まず通はこんな企画は通らないと思います。
ハンドメイドならではの拘りと、一般流通量産商品のワンランク上を目指し、提案し続ける
Tradition.millsならではの拘りが随所に詰まった商品です



このように、何気ないレザーのストラップですが、非常に手間と時間がかかります
革の仕入に浅草に2回行き実際に見て触って、コレや!と言う革を選び、
そしてまずは自らオイルを入れ磨き、艶出しをします。
そこから18mm巾と20mm巾をとれる箇所を選びます。
革と言っても、生地とは違いオンスが一緒でもスカスカの部分も含まれ、ちゃんと
使える部分は少ないのです。革ジャンが良い例で、アームや身頃に切り返しが
多いのは、そうの様な理由がある為です。

カットした革を、今度は先端を5角形に切り落とし、ケツ部分も角を落とします。
そこからコバ処理を全面に行います。

各加工穴をポンチで打ち抜きます。美錠用の穴はポンチと平目打ちのセットで。
そしてリベットをハメる、ワッシャーを金槌で思い切り打込む、クイキリで切る、
また金槌で叩き丸く潰す。
これだけの行程を経て、このストラップを御客様の手元に行っております。

どうぞ良き相棒の一員としてTOOL BAGをお使い頂ければ、と思います。

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